治療内容
ラジオ波治療
PERA
Percutaneous Endoscopic Radiofrequency Annuloplasty
経皮内視鏡下ラジオ波椎間板維輪形成術
わずか2mm程度の傷から、ストローのような細い筒を椎間板内に挿入し、内視鏡で観察しながら、椎間板ヘルニアを摘出し、ラジオ波を使用して線維輪といわれる椎間板の壁を焼き固めます。
当院ではさらに、線維輪内に入り込んでいる過敏神経を焼却することを目的とします。
※疼痛の原因はひとつではないことがあります。筋痛症による疼痛が重なっていた場合、当院ではPERA後、1月以内の術後ケア期間に筋痛症緩和治療を何度でも受けることができます。
対 象
- 軽度~中程度の椎間板ヘルニア
- 腰痛の原因が椎間板性疼痛と診断された方で、より精度の高い治療を希望する方。
方 法
1.椎間板の中にストローのような細い筒を挿入します。
2.筒の中に様々な極細のヘルニア摘出鉗子を挿入し、ヘルニアを摘出します。
この時のヘルニアの摘出量は一人一人のヘルニアの性状、大きさによります。
3.極細内視鏡とハイビジョンカメラを使用し、椎間板の中を観察します。
当院ではPELDで用いる内視鏡と同じ30°斜視鏡を使用していますので、死角がなく、後縦靱帯や硬膜管、神経根の状態まで観察できます。
4.ラジオ波バイポーラを使用し、髄核を焼き固めます。
5.同様にラジオ波バイポーラを使用し、後方の線維輪(椎間板の壁にあたる部分)を焼き固めます。
6. 内視鏡で椎間板内を十分に観察し、目的が達成できていることが確認できた時点で終了です。
PERAの受け方
- まず当院の脊椎総合診断を受診してください。MRI、CT、単純レントゲン、超音波検査、血液検査などで詳細に調べることで、PERAの適応であるかどうかが判断でできます。
- PERAの適応であった場合、手術の日程を決めます。手術当日は予定時間の30分前にお越しください。
- 費用 1箇所 65万円(消費税別) 1箇所追加 12万円(消費税別)
- 手術は約30分~45分で終了します。手術後は1時間ほど安静にしていただきます。
- 当日に帰宅可能です。術後は1週間後、4週間後の受診を勧めています。
- 術後1月以内は無料で検診を受けることができます。また、この間は術後ケアとしての治療費も無料です。
- PERAはまれに2回行うことがあります。当院では初回手術後半年以内で、同一部位であれば、半額で2回目のPERAを受けることができます。
他の治療法との違い(参考)
PERAとPLDDの違い
- PLDDは創がほぼ残らないのに対し、(注射針を刺す程度の創)PERAは約2mmのひっかき傷程度の創ができます。
- PLDDは椎間板の突出を熱収縮効果で減らしますが、PERAはヘルニア摘出鉗子で後方転位した椎間板髄核を摘出するとともに、ラジオ波による熱凝縮も行うことで、確実に椎間板突出を縮小させることができます。
- PLDDはレントゲン透視下で行われますが、PERAは極細内視鏡で、椎間板内を観察しながら行いますので、より精度の高い治療が可能です。
- PLDDは過敏知覚神経の焼却にレーザー光線のエネルギーを用いますが、PERAは過敏知覚神経の焼却にラジオ波を用います。ラジオ波はレーザーに比べエネルギー深達深度が浅いため、より安全に治療を行えます。
PERAとPELD(経皮内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術)の違い
- PELDは創が6~8mm程度で一針以上の縫合が必要ですが、PERAは創が2~3mm程度でテープ固定だけで済みます。
- PELDはヘルニアの摘出のために髄核や遊離線維輪をかなりの量で摘出することから、椎間板の壁である線維輪のボリュームが少なくなりすぎて壁として機能しなくなることがあり、ヘルニアの再発(髄核の脱出)につながる可能性があります。一方でPERAはむしろ線維輪を焼き固めることに主眼を置いており、ヘルニアの再発の可能性はほとんどありません。
※PERAは中程度以下の腰椎椎間板ヘルニアや腰椎椎間板性疼痛の手術治療手段としては現在最も優れた方法です。